ビジネスというものは。
擦れちがっている「需要」と「供給」を
アジャストさせれば良い、
言ってしまえばそれだけの事なんだが。
肝心の、
アジャスターとなり得る人材が
枯渇している....。
絶滅の危機と言ってもいい。
即戦力になるはずの派遣社員も、
最近はアルバイトのスタッフより実務スキルが低く、
そのくせに時給が高い....との悪評が絶えない。
一部に関しては想像に難くない。
そもそも、
独力で仕事を開拓できるような者は、
たっぷりマージンを抜かれる事が明白な派遣社員には
あまり成りたがらんだろう。
困った現実だ。
....人材が枯渇してきている原因だが、
すぐに働いた分の給料がもらえる
いわゆる“単純労働”を求める人物の増加が
1つの原因になっているように思う。
“単純労働”は1週間〜1ヶ月ですぐに給料が入るが、
いくら続けても、
専門の高度なスキルは永遠に身に付かない。
身に付くのは、
「誰にでも3日でマスター出来るレベル」の仕事だけだ。
それも、
新しいプログラムが開発されれば、
そのプログラムで事足りてしまうような内容だったりする。
また一方で。
...スキルが身に付くまでの間、
脇目も振らずに
寝食を我慢してでも下積みを続ける...
そういう感性の人間も、圧倒的に減っている感がある。
「ガツガツ感」の欠乏だ。
遊び方も、働き方も地味だ。
全体的に創造力が
偏っているように見える。(創造力が無いわけではない)
これは、
将来に対して具体的な夢を持てない事が
原因なのか?
そもそも将来というものは、
古今東西、自分達で切り開くものだ。
それなのに、
最初から夢が持てないというのは
おかしな理屈である。
そこは1つ大志を抱いて欲しいところなのだが、
なかなかそうもゆかない現実がある。
なにしろ
ロ党に迷う就職難民を相手に、
詐欺を働く会社や
詐欺まがいの教育をほどこして金を巻き上げる学校が
後をたたない。
さらには、
やっと入社できた会社が
社員に詐欺行為を強要する会社だったというパターンも、
例を挙げるまでもなく多い。
そういう事情もあり、
高い適応力と専門スキルを持つ「アジャスター」は
年々減っている。
需要の発生元が
いかに深刻に供給先を求めていても、
取引先が見つからない。
労働者は溢れているが、
「アジャスター」がいない。
だから仕事が回らない。
それでもきっと、
若い世代が日本の将来を良い方向へ切り開いてくれるだろう...
と思っていたら、
現在の日本は
20代の自殺者の割合が
先進国の中でもトップクラスで、
増加の一途をたどっていると聞く。
そして、自殺者のその異常な多さについて、
「なんという脆弱ぶり!」
とお怒りになる年配者がとても多い。
怒ったところで問題は一向に解決しない。
お怒りになるのは
おおむね団塊世代か、
終戦直後の日本を建て直した方々だ。
ところがその一方、
問題になっている現在の20歳代は、
「未来は切り開くもの」
ではなく
「前へ進めば勝手に開くもの」
を地で体験してきた
バブル世代の親に育てられた子達である。
親は、子供達の前で、食卓で、
現在の日本を悲観して暗い愚痴をこぼす。
それを聞いて育つ子供が、
さぁどうやって夢を持てるのですか?
という話。
年配の方々の
「今の若者は弱すぎる!!」
という論は、少し早合点のように感じる。